追い打ちをかけるかのような

このコピー

やられたぁ!やられたぜ、まったく!

さて、勢いづいて、古びたメットとグローブを持って

跨ったまでは良かったんだけど

試乗には至らなかった。

正直言って、怖かった。

(40代からバイクに乗ってなく、今は50代半ば)

バイク人生史上最大の排気量が660CC

気まぐれで跨った、鉄馬は1900CC

ショップの兄さんには勧められたが、丁重にお断りした。

だが、2度目は違った。

気弱な羊を抑え込み、狼が牙を剥くように

「ハーレーとやらに乗ってやろうじゃねぇか」

俺の体格的にはROADSTER辺りが、丁度良さそうだ。

それでも259㎏はある。跨ってみると

「鉄」だ。間違いなく「鉄」。間違いなく重い。

そして、BREAKOUT 305㎏

俺は見た目は羊だから、身長164cm、体重62㎏

ひ弱なサラリーマンだ。

が、しかし・・ん? 重くないぞ?

ショップの兄さん、すかさず

「重心が低いから、そんなに重く感じないでしょう!」

なるほど!

確かに、ROADSTERよりお軽い感じがする。

「よし!エンジンとやらをかけてもらおうじゃないか!」

と、息巻いたものの、目の前の路地に出るヘアピン的右カーブが

恐怖心を煽る・・。

さすが、HARLEY-SHOPの兄さん、勘所がいい

50過ぎの羊サラリーマンの心の叫びを察してくれたのか

「前まで出しましょうか?」

さすがだ!

ハーレーはバイクじゃないんだ。人生なんだ。

人生は人に頼っていいんだ。

などど、くだらないことを思いながら、ギヤを一速に入れて

恐る恐る、発車した。

噂通りの鬼トルクで、慣れないアクセルワークに

体が置いて行かれそうになること、しばし

たっぷりと走り、無事に帰還した頃には

俺の意思を確認するまでもなく

CPUは決意を固めていたのである。