最高の出だしだ!・・・だったはずなのだ
山陽道に乗って最初のSAでの休憩中に
仏心で社用のスマホの電源を
一瞬だけ入れた時からリズムが狂っていった。
最近の若い者といったら限定されるし、
誤解もあるだろう。
ハイウェイを西へとbreakoutを走らせながら
ぼんやりと考えていた。
昔はゼンリンの地図を片手に
現在地もおぼろげな中で
進路を切り開いていったものだが
今や目的地への経路もナビ頼みだ。
それじゃあ、人生に置き換えても
自分の進む道は切り開けないだろう。
そんな、ちょっと分かったようなことを
考えているうちに
よもや自分が「ナビ」に翻弄されることになろうとは
何をか言わんやである。
今回のロングツーリングでは初めてとなる
ツーリングサポーター by NAVITIME
(ナビタイム)を
スマホにダウンロードした。
もちろん、このナビゲーションシステムには
問題はないと思われる。
ひとえに使い方を把握していなかったことが原因で
素晴らしいスタートダッシュから
ナビのアリ地獄へと陥っていったのである。
ナビの言う通りの人生なんざつまんねぇぜ。
とばかりにルートを外してしまったのが運の尽きで
後から分かったのだが、
現在地から目的地に向けて
新たな経路を示してくれるのではなく
インプットされた地点をクリアしていないと
ひたすら忠実に、そこへ戻ろうとするのである。
さらに、知らない土地だとそれに気が付くのが
遅れてしまう。
例えば土地勘の無い人が
東京から横浜に向かっている時に
「鶴見」とか表示されても
どっちに向かっているかなんて分からないわけだ。
「品川」と表示が出て、
初めて「ん?何で逆なんだ??」と分かる訳だ。
そんな状態に陥り、高速の入り口を間違え
一度、高速に乗ると
10km程は走らないとI.Cがない。
さらに、高速の入り口は上りと下りに
分かれていることが多いが
ナビの表示が、そのタイミングで切り替わったり、
バイクを運転しながらは
小さいスマホで瞬時に対応できずに
同じ過ちを繰り返したり・・・
モチベーションはダダ下がりだ。
徐々にネガティブな思考に支配され始め
「もう、今日中に目的地に行けないんじゃないか」
とか
「俺は、いったい今何をやっているんだろう」
とか
朝一番のハイテンションの
かけらもなくなってしまった。
中国地方のちょうどへそ辺りを
縦横無尽に2~3時間は確実にロスをしてしまい。
「朝を制した者」の貯金を使い果たしてしまった。
このままでは、全てが台無しになっちゃう・・
「気持ちを入れ替えねば」
冷静になれば、迷った時間を考えれば
バイクを止めて、ナビの説明を読み
再度、設定に時間をかけても
充分に間に合う時間である。
しかし、バイクに一度跨ると
なかなか、これができないものなのである。
気を取り直して、
ガソリンも無くなってきたので
少し遠回りにはなるが
下道を走って、頭を冷やすことにした。
のどかな、その土地ならではの情景が続き
気持ちも晴れてきた。
「人生に迷いやトラブルはつきものさ」
そんな風に考えられるようになるまで
そう時間はかからなかった。
そして、
ポツンとガソリンスタンドを
見つけた。
店員は・・ばぁちゃんだ。
大丈夫か・・・
「ハ、ハイオクを満タンで」
ばぁちゃん、
ハイオクとレギュラーの違いは分かるかい?
まっ、いいか
最近の報道を見ていると
どうせ、地中ではタンクは一つだけかもしれない。
「はい。ハイオクですね」
オッ?!
どうせ、「うちは現金だけなんですよ」と
言われるのを覚悟で
「カードで大丈夫ですか?」
「よござんすよ。カードね」
オッ?!
ばぁちゃん。やるじゃねえか。
こんなポツンとガソリンスタンドで!!
ノズルは持てるかい。重くはないかい。
そんなナビに翻弄された男の余計な心配をよそに
ひょいと持ち上げて、慣れた手つきで給油を始めた。
「今日はお天気も良く。(バイクは)気持ちが
よござんしょう」
「そうなんですが、少々道に迷いましてね」
「それはいけませんね」
そんなたわいもない会話をしている間に
給油は終わった。
「気をつけていってらっしゃい」
こんな、何気ない会話
もう二度と来ることのない
中国地方の片田舎のポツンとガソリンスタンド・・
邂逅の思いを胸に
VANCE&HINESを控えめに轟かせながら
ポツンとガソリンスタンドを後にした。
ばぁちゃん、達者でな。
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