20歳の頃、CBX400Fで東北自動車道を一路北上し

北海道を目指した以来の

ロングツーリングの出発の時がやってきた。


インジケータのデジタルウォッチが

出発予定時刻の4時を表示するには、まだ早い。

Rough＆Roadのリヤバッグの初の積み込みも

思いのほかうまくいった。

周囲に気を配り、借りてるガレージから

300kgを超えるbreakoutを幹線道路まで

ずりずりと押し出してきた。

早朝とはいえ、汗が噴き出す。


不安と期待が交錯する。

最大75Ｌ収容できるRough＆Roadのバッグに

海外旅行か？！と思うほど

詰め込んできたので、重量も心配だ。

何よりも事故やトラブルを考えると不安は尽きない。

しかし、程なくして

期待値が不安を上回り、テンションも上がってきた。

迷わず、breakoutに火を入れた。

VANCE&HINESの本領は

まだ眠りから覚めない。


ギヤをローに入れ、静かにスタートした。

走り出しも快調だ！問題はない。

田舎のハイウェイは貸し切り状態で

心地よい風を感じながら

あっという間に1時間が過ぎ、

予定通りのＳＡで朝食をとることにした。

「朝を制する者はツーリングを制する」だな。

うどんをすすりながら、自己満足に酔いしれた。

空もいい感じに白んできた。

「さぁ、またひとっ走りするか」


陽が昇り始めた。

黄金の光の中へと

突き進んでゆく。

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